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家庭教師

11th Dec 2020

留学生にとって勉強とは学校にいる間にやるものであり、勉強の遅れの挽回や理解できない部分の解消は、学校の先生や友達の力を借りながら自力でやるもの。渡邊オフィスでは子ども達にこう教えています。日本で習い事や塾通いが当たり前だった彼らも、寮生活をしながらでは塾に行ったり家庭教師に頼ることは物理的に不可能ですから、大抵の留学生はこの渡邊オフィスの教えの通りに自力でやる抜くようになります。ただ、特に留学初期の頃には「家庭教師を探して欲しい」と親御さんからリクエストをいただくこともしばしば。基本的にはお薦めしないものの、あえて第3者の手を借りるほどの状況であれば(!)、率先して手配をしています。

数年前までは、イギリスで学ぶ子どもを教えることがでる家庭教師を日本国内で探すことは不可能に等しく、稀に手配ができたとしてもそれは渡邊オフィスの元留学生。そして自宅が東京以外の留学生にはほとんど手配ができない状況でした。数年前からスカイプなどを利用してのオンライン授業が可能になり、現地イギリス人家庭教師も手配するようにはなりました。ただ、時差や回線の不具合、対面でないと効果が薄い、集中度がもう一つ、といった難点は隠せず、オンライン敬遠派が多かったのも事実です。

ところが、この半年ほどはこれらの難点がほぼ解消されつつあります。コロナにより春から3か月間、日本でリモート授業を受けていた留学生達は、いつのまにか「リモート慣れ」し、オンラインでの授業におよそ抵抗がなくなったというのが最大の理由です。実はこの冬休みも渡邊オフィスでは例年以上の数の留学生に家庭教師手配をしています。イギリスの先生方とはもちろんオンライン授業ですが、渡邊オフィスのOBが受け持っている留学生達も、先生が家に通えても通えなくても、ほぼ全員がオンラインでの授業を選んでいます。コロナのリスクを回避する意図もありますが、彼らにとってはオンラインのほうがあらゆる面で好都合のようです。

オンライン化が活発になるにつれ、ある疑問が過ります。かつて「対面」にこだわった感覚はこのまま消えてしまうのでしょうか。そこに一抹の不安と危惧を抱き、反駁する自分が隠せません。家庭教師の先生が来る前にお部屋を片付けたり、休憩に出すお茶菓子を心配するお母さんの姿は、もう見られなくなるのでしょうか?

山岸