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出口の先

31st Jan 2020

今日は歴史的瞬間、イギリスがEUを離脱する日となりました。2016年6月の国民投票から3年7か月と長い期間を経てこの日を迎えることができたことに、世界中で様々な思いがあるものの、すべての人が「やっと決着がついた…」と思っているはず。年内は「移行期間」として、実質的にはEUに残留したままの状態が続くそうですが、今後もイギリスが世界に与える経済的な影響に注目が集まることは間違いありません。

 

結果に関わらず、個人的にはイギリスという国が常に「先進的」な考えを貫くことに感心します。前例のないことを始めたり、これまでの習慣をやめたりすることは大変勇気のいることです。例えば1500年代からいち早く植民地を築きだしたのもイギリスであり、それに最初に意義を唱え、奴隷制を廃止したのもイギリスでした。これまでの歴史的決断がすべて合っているとは思えませんが、常に先を見てその最初の一歩を踏み出す勇気を持っているのがイギリスの魅力の一つだと感じます。

 

教育の場でもこれは常に行われています。ボーディングスクールではすでに20年前から子ども一人に対してパソコン一台は当たり前でした。今では聞きなれた「マインドフルネス」(詳しくは以前のブログ参照)。10年前にこれを最初に取り入れたある名門校は、「宗教がかっている」、「有名校の名を落とした」と散々たたかれたそうですが、今では多くの学校がその成果に納得し、積極的に取り入れています。

 

また最近EU離脱と同じぐらい騒がれたのがサセックス公夫妻の王室離脱問題。このスキャンダルに対して、すばやく手を打ったのがエリザベス女王でした。夫妻の声明が出されたわずか5日後に、彼らの王室離脱を発表。日本では絶対に考えられないスピードで下されたこの大きな決断には、結果は別として誰もが「すっきり感」を覚えたはず。そしてこの美しく強い、93歳の女性が持つ「潔さ」が、今イギリスの持つ一番の魅力かもしれません。

 

鐵屋