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宗教は文化

18th May 2018

ゴールデンウィークにロシアのウラジオストクに行ってきました。東京から2時間半のフライトですが、これでもヨーロッパ旅行です!

英語がほとんど通じないので不安はありましたが、食事も観光も楽しめる素敵な街でした。

観光中にロシアの教会を見たいと思い立ちました。カラフルな玉ねぎ型のドームが並ぶ可愛いロシア独特の教会、ガイドブックにも定番観光スポットとして載っています。そんな訳で気軽に足を向けてみましたがその日は日曜日、到着した時はちょうど礼拝の終盤で、入り口を覗くとなんだか堅い、歓迎されていない空気が。。入っていいのかしら。尻込みしていると別の旅行者がお喋りをしながらズンズンと教会に入って行き、受付の方に静かにするようにと、ドレスコードの注意を受けていました。イギリスの宗教学の授業で習っていれば戸惑う事もなかったのかもしれませんが、私がイギリスの学校に入学した時にはロシア正教を習う時期が過ぎてしまっていたようです。宗教学では経典や信仰の内容以外にも、様々な宗教の信者の人たちがどういう生活を送っているかも習います。

 

イギリスのプレップスクール、学校によってはシニアスクールを通して宗教学は必修です。自身の信仰に関係なく、あらゆる文化、宗教を持つ人々と共存する為には必要な常識なのです。わたしのように個人旅行で失敗をするのは旅の恥で済みますが、ビジネスやより長く深い付き合いでは相手の宗教にどういう習慣があるのか、何が失礼にあたるかを知らなければ良い関係を築くのに苦労し、スマートに振る舞えません。

日本でも近年はイスラム教徒の為にハラルやお祈りの場を用意するなど、以前より意識が高まっていますが、まだまだ十分とは言えないでしょう。特に無宗教の人が多い日本で“グローバル人材”を育てるというなら、せめて世界三大宗教の基礎知識は身につけた方が良いのではないでしょうか。

ちなみに私の叔父は昔イスラム教徒の方を接待した際にシメの豚骨ラーメンに誘い、部下にあわてて止められたそうです。“国際問題”の芽を摘んで下さった部下の方に感謝です。

 

長須