買う本借りる本
20th Oct 2017
紙の本が売れなくなっていると言われている中、毎年必ず全生徒が教科書を購入する日本の学校は出版社にとって貴重な得意様でしょう。一方イギリスでは教科書は学校のものを借りて使います。先輩方の“おさがり”の中には比較的新しいもの、または以前の持ち主が問題の答えを書き込んだものなどがあり、“当たり”を引いた時は少し得した気分になってました。これらはまた学校にお返しするものなので年季が入ってはいるものの基本的にきれいで、使いこまれながらも丁寧に扱われていると私は感じました。
イギリスの学校は教科書ではなく生徒自身の読書のために本を購入する機会が定期的にあります。本屋さんの学校訪問販売や児童小説作家のサイン会などが開催され、そこで生徒たちは好きな本を買います。学校が一学期の本の予算をあらかじめ保護者から許可を取っておき、その範囲内であれば生徒が自由に購入できるシステムをとっていることもあります。また就寝前のわずかな時間でも読書タイムを時間割に組み込んでいる学校も多く、自然と読書が習慣になるような生活スタイルなのです。
生徒がより読書を楽め、本も定期的に売れる合理的なシステムですね。読書の秋に限定せず、毎日の習慣に仕掛けを作った方が良いのでは、日本の書店さんにおせっかいを言いたくなってしまいます。
長須