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日本史?世界史?

9th Feb 2024

大学受験シーズンになると、自分の学生時代の受験勉強を思い出すこと、みなさまもよくあると思います。つい先日友人と『高校の時、日本史と世界史どっち取ってた?』という話題になりました。

日本の場合、いわゆる歴史という科目は、小中学校では社会科の中で取り扱われますが、高校になると歴史は日本史と世界史に分かれます。一方でイギリスは、どこの学年でも〝History〟という科目があります。プレップスクールからシニアスクールまで、一貫して歴史は歴史で、英国史と世界史には分かれていません。もちろん、イギリスという国自体が、世界の中心であったことは否定できませんが、世界の中におけるイギリスの歴史を学びます。特に近現代は重点的に学ぶ傾向にあり、なぜ先の大戦が起こったのか、二度と起こらないようにするにはどうしたらよいのかを含めて、覚えるだけではない〝考える〟歴史を学ぶということが重視されていると思います。

ようやく日本の共通テストにも、今年度から歴史総合が加わりました。この科目は日本史と世界史を統合して、近現代を中心に教えるというもので、これは歓迎されるべきことだと思っています。というのも、これまで日本の高校では日本史、世界史がわかれていたが故に、日本史が、日本だけを深掘りする教科になってしまい、例えば各時代の仏像の名前をたくさん暗記するような、意義を見出しにくい印象になってしまいました。名前そのものよりも、その仏像が生まれた背景を日本史だけでなく、世界史の文脈で捉え、同時代の世界のどんな文化の影響を受け、その後世界と日本がそれぞれどのような文化的変遷をたどるのかを「同時に」考えるような、そんな歴史教育へと変わっていくといいですね。

…そんなことを思う受験シーズンです。

後藤