Auld Lang Syne
2nd Feb 2024
先日買い物に出かけたところ、ついつい夢中になり時計を見るのを忘れていました。そんな中、耳に飛び込んできた「蛍の光」のメロディ。あのメロディを耳にすると、何時か分かっていなくても、半ば条件反射の様に「帰らなければいけない時間だ」と感じるのは、小さい頃からの刷り込みの産物ですね。
日本の卒業式の定番曲でもある「蛍の光」は「別れの曲」というイメージが強いかと思いますが、実は原曲があるということをご存じですか?原曲はイギリスの「Auld Lang Syne」という曲で、スコットランド出身の詩人、ロバート・バーンズ(1759-1796)の詩に曲をつけたものです。歌詞を要約すると、旧友と再会を果たし、昔の思い出を懐かしく語りながらお酒を酌み交わすという内容になっており、「蛍の光」とは反対です。イギリスでは毎年ロバート・バーンズの誕生日である1月25日に、彼の詩を朗読して、スコットランドの伝統料理であるハギス(羊の内臓をミンチにしてオーツ麦、玉ねぎ、ハーブ類と一緒に羊の胃袋に入れてゆでる、もしくは蒸したもの)を食べて彼の功績を称える「Burns Night」または「Burns Supper」という行事があります。多くのボーディングスクールでも行事予定表の中に組み込まれており、初めてハギスとの出会いを果たした留学生もいたのではないででしょうか。
Burns Nightでは「Auld Lang Syne」が歌われることも多いため、1年の大半をイギリスで過ごしている留学生でも、日本で「蛍の光」を耳にした時に何の曲か分かるかと思いますが、原曲とは意味合いがあまりにも違うので、私のように焦ってお店を出るということは無いかもしれないな…と想像しながら帰路につきました。
小島