センター試験
20th Jan 2017
センター試験の季節がやってきました。当事者でない私にとっては毎年「雪で交通が乱れ受験生〇千人に影響」や「カンニングなどの不正が◯件」というニュースばかりが記憶に残ります。今年も同様で、特に雪の影響が大きかった地域のニュースを見ると受験生が気の毒で、天候のリスクが高すぎるこの時期の実施はなんとかならないものかと考えてしまいます。そして毎年、イギリスの受験システムはなんて合理的なんだろう!と感心します。イギリスでは入学試験一発勝負ではなく、学校で2年間かけて勉強し最後に受けるAレベルという統一試験の結果がそのまま大学に評価されます。また試験時期も夏なので、雪の心配はもちろんありません。
※Aレベルについて詳しくは以前の記事「ちょっと変わったイギリスの大学受験」をご覧下さい
実はこの統一試験、生徒が毎日通っている学校がそのまま試験会場となります。日本でも同じ事ができれば交通の影響を受ける心配はかなり減るはずです。でも学校で受けるともうひとつの問題、カンニングが増えてしまうのでは?と思う方もいるでしょうが、Aレベル試験の回答はほとんどが記述式。そもそも不正がしにくい試験なのです。
センター試験は2020年に廃止され新しい「達成度テスト」が導入されるとの事。とあるニュース番組ではこのテストは記述問題が増えてカンニングがしにくいと説明されていましたが、調べてみるとマークシートが主体で記述はあくまで一部。これではまだイギリスのように会場を学校にすることは難しそうです。
とは言いつつ、イギリスのAレベルも完璧なわけではありません。私がイギリスの中学校在学中に歴史的猛暑と言われる夏がありました。日本人の私たちにとってはむしろ快適な25~26度が当時のイギリス人には耐え難い暑さだったようで、テスト中に倒れる友人がいたほど。幸い統一試験を受けていた先輩に影響はなかったようですし、温暖化が進んだ今ではエアコンもあるでしょうが、受験は夏でも冬でも大変な事には変わりありませんね。
長須