授業への貢献とは?
14th Oct 2016
秋学期ももう少しで中間休みですので、成績表が届く時期になりました。
成績表に関する話題はこのブログでも何度も出てきており、日本と比べると違いがたくさんあり、話題が尽きません。
もちろん、まだまだ渡邊オフィス新米の私にとっては知らないことばかりのイギリスの成績表です。まずその評価方法に驚きました。テストの結果から評価される成績と、授業中に質問をする、意見を述べる、宿題を期限内に終える、など、積極的に授業に参加することで評価される貢献度・努力点で示されます。授業への貢献度なんて、私は学生時代に考えたことは一切ありませんし、このブログの読者の皆様も貢献度を意識して授業に参加されていた方は少ないのではないでしょうか。
日本の学校の授業といえば、静かに先生の話をよく聞く、分からないことがあれば、授業後にコソコソと聞きに行く、放置する、または理解とは無関係にすべて暗記する。今思えば、就職活動の際、授業を受けるのと同じ気持ちで臨んでいたために、企業説明会に行っても質問が出てこなかったり、とにかく会社情報を丸暗記して面接に行ったりしていたから苦労したのだ、という事に気づきました。さらには、どうにか就職した後も(理由は分からないけれど)これまで通りと同じ対応をすれば良い、と処理してしまいがちでした。
一方で、小中高生の時からイギリス留学している生徒の皆さんは学校生活中でも成績表でも、発言をする、質問をする、なぜ?を考える、ということを徹底的に教え込まれているからか、小学生でも渡邊オフィスに届くお願いや質問も具体的ですし、理由もきちんと書かれています。また、質問をすることで、理由や仕組みへの理解が深まり、暗記ではなく記憶にしっかりと残ります。私の学生時代のやり方ですと、例えば鎌倉時代はどんな時代?と聞かれても源頼朝や鎌倉幕府というような単語は出てくるけれど、鎌倉時代はどう興って、栄華し、衰退したのかうまく説明することができませんから理解していないのと同じですし、なんとか暗記している単語さえも忘れたら鎌倉時代について何も言えることはありません。
そして何より、質問は“人助け”にもなることを知りました。質問をすることで自分がどこでつまずいているのかを明らかに出来るとともに、授業中に自分が分からないことは、もしかしたらクラスメイトもわかっていないかもしれません。これがイギリスの成績表でよくみる「貴方が質問、発言をすることでクラスの助けになる(なっている)」という意味だったのです。さらには発言を習慣化することで、どのタイミングで発言をすれば相手の話の妨げにならないか、どう質問すれば理解が深まるのか、自分自身の中でコツが掴めるのだと、渡邊オフィスの生徒さんを見ていて感じます。抜け駆けして、授業後にこっそり聞こう、なんて私のように考えているようでは、結果的にクラスメイトだけでなく、自分のためにもならなかった、ということを生徒の皆さんから日々学んでいます。
後藤