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本物のボランティア

1st Jul 2016

災害時に多く聞かれる「ボランティア」という言葉。最近は自分の能力、体力あるいは財力を遣っての人助けをするという感覚が日本にも根ざしつつあり、大変喜ばしいことだと思います。

英国のボランティアは長い歴史とともに人々の暮らしに根付いています。「隣人を愛せよ」とは聖書の言葉ですが、その言葉が示すように、だれかの助けをすることを皆が誇りに思うのです。ですから仕事をしている,していないにかかわらず、ほとんどの英国人は何等かのボランティアに常時参加しています。例えば、渡邊オフィスではすべての留学生に専用のガーディアンと呼ぶ家庭に留学生のサポートをお願いします。これは英国人のボランティア精神に寄与するとことが多く、反対に日本で同じことができるかと聞かれたら、難しいと答えざるを得ません。

良く間違えられるのは、Host Familyと呼ばれる家庭。英国には外国人留学生のために(主に語学研修者)自分の家庭を開放するHost Familyといういわば宿泊のための家庭が多くあります。ほとんどの語学学校もHost Familyを宿泊施設として利用するわけです。もちろんHost Familyと言っても様々でその中身は家庭によりますが、多くは留学生を宿泊させることにより、金銭的な利益を得ることで成り立っています。 

ガーディアン家庭はその基本から違います。まずは、外国から一人で来ている留学生(子供)を英国での親代わりとしてあらゆる面で助けたいと考える方達です。また英国の学校と同様に自分の家庭に文化の違う人間を招き入れることで、お互いが学ぶものがあるという気持ちをもっています。 学校の休みの度に学校への送り迎え、寮長先生とその子の近況あるいは学習の進捗度を話しあったりします。父母会にも出席、スポーツや音楽のイベントに出る子がいれば、応援に。そして忙しい学校生活の疲れをいやすための休息の場であったり、美味しい家庭料理を味わったり。家族と一緒にスキーや海外旅行に行く子達もいます。 健康を害してガーディアン宅に帰り、休む子もいます。もちろん実費はお支払いしますが、いやいやこんな大変なこと、決してお金をもらっても出来ることではありません!

良い関係を築くには、子供達の努力も必要です。お客様ではなく、家族の一員として、感謝の気持ちをもって接することで、お互いの信頼関係が生まれるのです。今年も結婚式に「昔」のガーディアンをお招きした元留学生がいました。娘のようにかわいがっていただき、留学から帰国したあともずっとお付き合いがあったということです。 英国にも「家族」が出来るなんで素敵ですね!

 

渡邊