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受験の季節に思う

19th Jan 2024

お正月が終われば日本ではまた受験シーズンの到来。こちら渡邊オフィスへのお問合せでよく聞かれるのが、家業を継がせる関係で、あるいは、子どもの得意分野なので、「イギリスで〇〇の大学受験に有利なボーディングスクールに行かせることはできるか?」という質問。〇〇はたとえば医学だったり、アートだったりします。

たとえば日本ならば、「医学部合格率が高い高校ランキング」なんていうものがあったり、「美大、芸大付属高校」を目指す子どももいますから、こういう質問が寄せられるのは当たり前といえば当たり前。ただ、イギリス留学に関して言えば、この答えは「No」です。イギリスのボーディングスクールには、ごく一部の幼少期から専門教育を施した方がよいとされている分野を除いては、特定の分野の大学受験に有利という小中高校は存在しません。

ボーディングスクールの代表者に、「貴校では何が盛んですか?」と質問したら、たいていの場合「何でも盛んです!」と返ってきます。というのも、どの学校も、子どもは若いうちに出来るだけ多くの体験をするべきという信念があり、そのために生徒が勉強、運動、芸術の何に興味が湧いても高いレベルでチャレンジできるよう、教師や設備を投入して環境を作っているからです。そのような環境で生徒は視野を広げ、何でも自由に進路を選択していきます。ですから、大学受験を考えて留学先の学校選びをするなんて、あえて必要ないのではないでしょうか。

むしろ、親御さんとしては、お子さんが「〇〇系に進むために備える」のではなく、「どんな進路に決めてもいいように環境を備える」という考え方に頭を切替えないとなりません。それに、子どもの気は変わりやすく、いとも簡単に途中で進路を変える子どもは大勢います。しかし、それでもスイッチ可能なのがイギリス。せっかく受験の呪縛から解かれて留学する道を選択するのですから、親御さんもこのイギリス的な受験思考を取り入れてみてはいかがでしょうか。

山岸