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誰のための交通ルール?

10th Dec 2021

「日本よりイギリスのほうが運転しやすい」、とこれまで漠然と思っていましたが、先日ある元F1レーサーの記事を新聞で読み、それは確信へと変わりました。

日本では歩行者はどんな場合においても常に守られ、例えば赤信号を無視して渡った歩行者と車の事故があった場合も車の不注意による責任となります。ゆえに自動車交通ルールは歩行者目線で作られており、日本は一旦停止はもちろん、信号や交差点でも「ブレーキ」をかける頻度がとても高い国です。

反してイギリスは「Stop」の代わりに「Give way」(道を譲る)の標識が多かったり、交差点の代わりにはラウンドアバウトがあったり、右からくる車にさえ注意していれば車は止まることなく流れるよう道路が作られているため、車は常に「動いて」いられるようになっています。

イギリスを含むヨーロッパの車に対する考えは「早く移動する」にあり、日本のとにかく歩行者を傷つけない「止まる」の考えはいくらか優先順位が低いように思えます。だからと言ってイギリスで交通事故が多いわけではなく、元F1レーサーが感じた「基になる規則が少ない緊張感が逆に安全を担保する」という考えに私も賛成です。

最近は運転中に交差点で待つたびに、その昔イギリスの田舎で免許を取得した時苦手だったラウンドアバウトを恋しく感じます。

鐵屋