イギリスボーディングスクールの海外進出
21st Mar 2025
およそ10年位前までは、子供の進学というと、日本の公立か私立の2つにほぼ限定されており、東京のような大都市では私立の人気が高まる一方地方での公立(県立)の根強い評価は変わらずといったところでした。それが小学校での英語必須と時期同じくして、英語塾、インターナショナルスクールが日本中に乱立し、お稽古事の領域を越えて進学の一つの選択肢としての地位を確立しつつあります。そして昨今、イギリスにある名門のボーディングスクールが海外、特にアジア地域への進出が顕著で、日本もそのターゲットの一つとなっています。まだまだ数が増えるようです。
このアジアあるいは日本にある関連校とイギリスの本校との違いを良く聞かれますが、私はまったく違うものだとお答えしています。それは何百年もの間に培われた伝統が発する重みの違いです。学校はカリキュラムや施設だけで語れるものではありません。その学校に過去に在籍した先生・生徒が造り上げた学校全体を包んでいる空気感、ロールモデルに囲まれた日々から得る自然な独特のマナーであったり、言葉、品位であったり…。イギリスのボーディングスクールの美徳が自然と身に着く、いわゆるイギリスのパブリックスクールで教育を受けた人はその英語の音、言葉遣い、立ち居振る舞いからすぐにその育ちが見える。渡邊オフィスの卒業生でもそれは顕著です。同じ学校名を冠にしている日本やアジアの関連校は、教育レベルからしたらイギリスの本校と類似したものを受けられ、しかも自宅から近く、費用的にはおよそ半分というメリットは大きいけれど、これらの学校にいるのはその国の子供たち、日本であれば日本人、シンガポールであれば、中国系となることは明白でそこにはイギリス人が8割の本校の持つ伝統の「味」は望めません。どちらの学校がいいのかではなく、メリットが違う。何を重要視するかはそれぞれのご家庭の価値観、経済状態によると思います。
選択肢が多いことはある意味喜ばしいことではありますが、昨今の学校事情はかなり複雑で選ぶ側の確固たるスタンスが求められています。子供の一生を左右し兼ねない教育だけに親御さんにとってはかなり悩ましい問題でしょう。
渡邊