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Let’s Sing

15th Dec 2023

ボーディングスクールからのお便りもすっかりクリスマス一色になり、一年の終わりが近づいていることを感じる今日この頃です。クリスマス関連のお便りでも非常に多いのが、学校で行われるクリスマス・キャロルに関するご案内です。クリスマスの時期になると、必ずと言っていいほどどの学校でも学校の聖歌隊による聖歌が披露されます。学校によっては外国への合唱ツアーを組むほどレベルの高い聖歌隊を持っていたりするため、完成度はプロ顔負けです!

イギリスでは、日本の学校よりも「歌うこと」に対するハードルが低く、得手不得手はありつつも、とにかく歌うのが好きな子供が多いと感じます。その理由の一つとして、普段からとにかく歌う機会が多いということがあると思います。イギリスの多くの学校はキリスト教を基本にしており、キリスト教では讃美歌を歌って神を称えるという慣習があります。歌う頻度も高く、毎週の礼拝や、時には朝礼などでも歌うので、校歌を始業式と終業式と卒業式でしか歌わないという場合がほとんどの、日本とはそれだけでも随分と差があります。私は小学校の頃にイギリスの現地校に通っていたのですが、その学校も毎週の全校朝礼で讃美歌を歌う習慣がありました。朝礼で歌う讃美歌は、讃美歌といっても決して厳かなものではなく、子供が楽しんで歌えるような曲調の現代風讃美歌がほとんどでした。皆それぞれに「お気に入りの1曲」がありましたが、中でも多くの生徒に人気だったのは、歌の最後の歌詞が「Jubilate Deo」(神を喜び称えよ)で終わる歌で、最後に拳を突き上げながら「オー!」と叫ぶアレンジが加えられていました(今思えば、そのユニークなアレンジが人気の理由だった気もしますが…)。

他にも、音楽の授業ではもちろん、フランス語の授業では体のパーツを覚えるための歌を歌ったり、英語の授業では綴りを覚えるための歌を歌ったりと、頻繁に歌を歌っていた記憶があります。フランス語は話せるようにはなりませんでしたが、今でもフランス語で「頭」「首」などの単語は覚えています。そこで価値を置かれているのが、「上手なこと」ではなく「堂々と楽しく歌うこと」。音を外したり歌詞を間違えたりすることは全く問題ではなく、とにかく声をしっかり出して歌うことができればOKなのです。人に笑われたり批判されたりすることを気にせずに歌うことができるので、客観的には歌が上手いわけではない生徒であっても、歌うことに対する苦手意識を持たずに、歌う楽しさを知ることができるのだと思います。

日本の学校に慣れている留学生たちは、最初は戸惑うかもしれませんが、徐々に歌う楽しさを感じてもらえればと願っています!

小島