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ここにもあった ー 留学経験がもたらすもの

5th Nov 2021

10月30日(土) 朝日新聞夕刊「いま聞く」に、ジャーナリストの多賀幹子さんのインタビューが掲載されました。多賀さんは英国の教育や英王室などに関する取材を長く続けてこられ、関連の著書も多数ある方です。渡邊オフィスは13年前に多賀さんの取材を受け、当時イートンからケンブリッジ大で学ぶ留学生やパブリックスクールに在籍する留学生達を多賀さんがインタビューした記事がアエラに掲載され、反響を呼んだことを懐かしく思い出しました。それ以来、多賀さんは毎年当社のクリスマスカードをお届けする毎にコメントを寄せてくださり、私どもからはイギリス留学の動向をご報告しながらご活躍を応援しています。

さて今回のインタービューは「孤独対策」がテーマ。英国は世界で初めて「孤独・孤立対策担当相」を設置した国で、世界で2番目に設置して間もない日本は英国と似た取り組みをしているとのこと。ただ、その成果はまだまだこれから。思うに、そもそもイギリスは日本と違い、慈善活動への土壌があり、新しい試みである「孤独対策」への国民の食いつきも早かったのでしょう。また、多賀さんによるとイギリスはその活動がとにかくユニークな発想に溢れているそうで、いくつか挙がっている事例を読んでも「へぇ!」と感心するものばかり。様々なアイデアで競って成果を出し、国の援助を得ているそうです。慈善活動はとにかく人とアイデアありきだとすれば、日本はまだその土壌作りがこれからだと感じます。

渡邊オフィスの留学生達が在籍する約60のボーディングスクールを見まわしただけでも、慈善活動の種類の多さや全生徒が関与している様など、明らかに日本と違います。こういう環境に育てば人は自ずと慈善活動は特別ではなく生活の一部として身体に沁み込むのでしょう。その証拠に、渡邊オフィスの卒業生達の多くは社会人になっても慈善活動を続けている子も多く、慈善活動ではなくても、いわゆる人助けが得意だと感じ子が多くいます。ボーディングスクール出身者が増えていくことでいずれ日本の「孤独対策」が成果を上げる一助となったら・・・と、ちょっと大きなことを考えるきっかけとなった記事でした。

なお、イギリスの孤独対策については多賀さんの近著「孤独は社会問題 孤独対策先進国イギリスの取り組み」でもっと知ることができます。

山岸