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働き方の違い

23rd Oct 2020

メディアがやれ「東京からの移住だ」「ワークライフバランス」だとかで騒ぎ、日々の通勤電車の混み度合いが以前よりマシになったりすると、日本も段々とリモートでの仕事が日常化に向かってきているように感じます。しかし、リモート勤務とはただ仕事場が自宅になったという単純な違いではなく、特に長年「一緒」にいわば運命共同体的な仕事をしてきた日本ではなかなかすぐにスムースに移行できるとは思えません。相当上手くシステムを作らないと日本の土壌にマッチしないのではないでしょうか。まだまだリモート勤務と日本の「働き方」が上手く融合するのには時間がかかるだろうと想像します。

イギリスはもともと自宅で仕事をするということが長年の間にほぼ自然・必然と受け入れられおり、コロナの影響でリモート勤務になったのではなく、働き方が日本より早く進化した状態にありますから、住み分けが出来ています。まず、あらゆる仕事にDelegationという役割の線引きがとてもクリアになっていて、個人個人で仕事が分かれていますから基本的に他の人の仕事はしない、誰かが休みだから他の人が引き継ぐという発想があまりありません。日本でいうところの「引継ぎ」に値するぴったりとした言葉が英語にはないに等しいので日本的な期待をしていると前任者が辞めた後は悲惨です!もう一度今までの経緯をこちらが説明せざるを得ないことになります。個別仕事のシステムであり、集まるのは必要最低の会議だけだからこそリモートでの仕事がある意味可能とも言えます。先日ある元渡邊オフィスの留学生の親御さんから大学を優秀な成績で卒業、ある著名な外資企業に就職したという嬉しいメールをいただきました。日本の大手企業に就職された彼の姉達が数か月の手厚い新人研修を受けたことと比べ、出社第一日目からいきなり実務をやらせる外資企業の社風に驚かれたのだそうです。当の本人はまったく違和感なしで、やる気満々。逆に喜んでいるようですが・・・要は仕事の引継ぎもトレーニングもほとんどなく、仕事とは割り当てられた役目を粛々と自分でこなすということになるでしょうか。

と違いを並べてみましたが、もしかしてこのコロナウイルス騒ぎによって私達は少しずつ 違う時間の過ごし方、使い方そして働き方も学んでいるのかもしれません。

渡邊