リモート飲み会・考
16th Oct 2020
先日、語学学校でかつて机を並べた仲間たちと1年ぶりにリモートで集おうということになりました。東京、大阪、山梨、イギリス、と居住場所が異なるので、対面で会うよりうんと簡単に集合日が決まりました。発起人でZoomのアカウントを持つHさんが数日前にリンクを全員に発信。「〇月〇日(日)19:30キックオフでよろしく」。大学時代にラグビー部主将だったHさんらしいメッセージ付きです。
さて、当日の時間ピッタリに開始。ワイングラスを手にしているHさん、ハイボールらしきグラスを揃いで用意しているK夫妻、昼食前だからと飲食はなしのイギリスのWさんを前に、私は鯛のカルパッチョからチーズから焼き物からかぼちゃの煮物まで、つまみをふんだんに揃えての参戦。話題がコロナに始まり子育てから最近読んだ本へと面白い話題がリズムよく続いているところで、イギリス在のWさんが突然「私はこの辺で・・・。」と切り出しました。ご主人とロンドンの美術館を訪れる予定があるのだそうです。ちょっと驚きながらもそれは残念、と見送る体を見せながら、彼女以外は当然残って会を続けるのかと思っていたところ、Hさんが「ではこの辺でお開きに。また集まりましょう。」とアッサリ締めてくださいました。
私が若干ぽかんとしてしまったことは確かです。これが日本だったらもっと長話に花が咲いてダラダラと続いたんだろうと想像します。しかし、そういえばイギリスではパブが閉店する時間の問題もあり、現地の人はあまりダラダラ飲みをしなかったことを思い出しました。日本は会議も長いと言われますが飲む場合も深夜まで及ぶなど長丁場。かくいう自分もダラダラに慣れた体質ですが、今回は短く終わったことで酒量もそこそこ。その後でやりたかった雑用ができ、興奮で睡眠に影響することもなく落ち着いてその日を終えることができました。後味がよかったのです。イギリス在住が長いWさんにとってはお出かけ前に仲間とお喋りはあの程度の時間で十分という感覚なのかもしれません。長丁場を想定してフルコースのつまみを用意したり、心の中で「何時頃にお開きにするのがいいのか」を気にしていた自分が、すっかり未熟者に思えました。
終了後に時計を見るとおおよそ“キックオフ”から約1時間半経過。ラグビーの試合並みの所要時間です。Hさんにはお誂え向きのノーサイドとなりました。にもかかわらず、私は仲間に「また気軽に集ってサクっと飲みましょう!」と名残惜しさを隠せないメールをしてしまったことを、敢えて白状したいと思います。(笑)
山岸