いまどきの面接
15th Jun 2018
ここ数か月間、渡邊オフィスではかなりの頻度でSkype、Facetimeのお世話になりました。新規留学生の受験するボーディング・スクールの入試は、筆記試験以外にほとんどの場合、面接も行います。昔は現地まで行く方法しかなかったものが、今は手軽にスカイプを利用してできるようになったのです。
スカイプ面接には、よい点も悪い点もあります。たとえば、暗い部屋で(たぶん光が反射しないようにとの配慮からカーテンを閉めている)、牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡の先生の顔が画面にはみ出るほどアップに映っていて(親しみをこめて前のめりになるのか、デスクの奥行がないのか)、その先生が堰を切ったように話し続けるような時は、私は内心「はずれた・・・」と呟いてしまいます。案の定、子どもはその迫力にびびッてしまい、緊張して力を出し切れません。
最近同席した、とある小学校のスカイプ面接では、笑顔のすてきな校長先生が登場。開始していきなりWiFi環境が劣悪になり、音声も画像もとぎれとぎれ。すると先生は「5分待って」と、一旦スカイプをオフにし、校内にあるご自宅の書斎まで移動してかけなおしてくださいました。優しい笑みは途絶えず、背景には品のよい柄のカーテン。ふんわりした光が差し込んでいました。先生の質問は英語を習いたての10才の少年でもわかるような、いたってシンプルなセンテンスばかり。その子が質問に答えるたびに「いい子だね、いい笑顔だねぇ」を連発。その子はすぐに打ち解け、最後は先生の笑いを取るような質問までできたのです。もちろん、この面接は大成功に終わり、めでたく彼は9月からこの校長先生のもとで学生生活をスタートします。
もし私が学校の面接官にアドバイスをしてよいならば、「明るい部屋で」「できれば笑顔の優しい先生が」「画面の中にほどよく収まるように工夫」し、「早口でまくし立てないこと」と申し上げたいところです。子どもを審査する場面でありながら、実は子どもや親御さんにとっての学校の印象を大きく左右する機会なのですから。
山岸