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おもてなし?

22nd Jun 2018

イギリスの出張から帰ってまいりました。今そしてこれからしばらくのイギリスは寒くも暑くもなく過ごしやすい季節と新緑の美しい陽の長い毎日が続きます。いつもの弾丸出張は1週間で10校ほど訪問するのですが、今回は時間を取ったのでイギリスの日常の「風景」をゆっくり垣間見ることが出来ました。

 

まず「子供」と「年寄」に対しての親切さが日本とは比べ物になりません。残念ながら昨今の日本は「優先席」などと表示しない限り(または表示があっても!)人々は自分で判断して弱者を守ることが疎かになりがちですが、イギリスの日々ではルールというものをあえて設けなくてもそれが当然という形で行われています。例えば、ロンドン空港に降り立ってすぐ分かるのは、預けた荷物をターンテーブルから取る時です。チビの私は大きなスーツケースを降ろすのに一苦労。しかし必ず傍にいるどなたかが助けてくれます。でも羽田や成田でその恩恵を預かったことは皆無です。きっと同じ経験をされた方は多いことでしょう。やはり空港で経験したのは、長い列に並んでいる乳母車を引いている家族、そして老人(私です!)を優先的に先に通す手際の良さ!そしてそれを見ている周りの人々の温かい視線。今、ロンドンの人口の7割は外国人と言われていますが、人種に関係なくこの様なマナーが当たり前のように行われていることを改めて認識しました。イギリスの学校で特別このようなマナーを教えている風景は見たことがありません。ということは、家庭および社会から自然に学び取るものなのでしょう。

 

日本は今2020年のオリンピックを控えて、「おもてなし」という言葉が頻繁に使われています。確かに外国と比べると日本は清潔で多くの事がスピーディで便利です。ですから、「おもてなし」という何か特別なことをするのではなく、目に見えるところから自然に助ける気持ちを養うのが先決のように思えました。外国人に親切にする前に我々日本人同士のマナーを見直す必要があるのかもしれませんね。

 

渡邊