「ムーミン」は日本の常識?
16th Feb 2018
昨今の日本では大学入試問題は何が適切かという議論が続いています。センター試験の「ムーミン」はどこの国の物語かが出題され、北欧の各大使館まで動員して喧々囂々の意見交換がメディアを騒がしていました。 これは一体何の学力を計る問題なのか・・・と首を傾げたのは私だけでしょうか? 大学入試を暗記の競争ではなく、考える能力を計る試験に代えていくといった話が起こっていたはずなのにこれでは知識の競争またはクイズと言った体をなしているように思います。
英国の大学受験と比べ、常々日本の大学入試は大変だと思っていました。なぜなら、日本の大学はセンター試験も各大学も思い思いの試験を受験者に課します。もちろん巷には、何年も遡った過去問集や予想問題集などが出回っていますが、まったく試験範囲というものが存在しないのですから、何が出るかは本当に分からない・・という試験を受けるわけです。長年そうやって行われてきたのですから、「そんなの当たり前!」と言われそうですが、英国の受験を知っているだけに、この当たり前がとても不思議に思われてなりません。つまり当たり外れがあるということですよね!
英国の大学受験は個々の大学が入試を行うのではなく、全国統一試験の結果が直接大学の合否に繋がります。この試験は「試験範囲」が決まっており、発表されています。シニアスクール(高校)の最後の2年間にこの試験範囲に従って履修した内容で解ける問題が試験には出ます。自分が選択した学科をしっかり学んで得た学力を競うのです。これが本来の学力を計る試験ではないでしょうか? 主に記述式の試験は暗記の力試しではなく、どれだけその内容を深く学習したかで論じる答えが違ってくるといったものです。 渡邊オフィスの最終学年の学生はこの6月に受ける試験のためにこれからが正念場。でも何を勉強したらいいか分かっているということは、日本の何が出てくるか分からない試験よりずっとやり易いと思います。試験範囲をすべて網羅することが可能ですし、過去問を解くことでほぼ問題の傾向が分かります。
付け焼刃ではなく、実直にコツコツと積み上げて勉強した人の勝ち。実力を出し切って良い答案が書けた時は最高の気分なはず。スポーツをしたり音楽を聴いたりとメリハリ感をもって上手に息抜きをしながら集中して勉強するのが英国流です。
渡邊