Back to Blog Top

突貫工事

30th Jun 2023

「突貫工事」って英語に訳せないわけではありませんが、やはり日本ならではの言葉ではないかと最近これからオープンするイギリスの日本校を見学した時に思いました。日本はそれが会社のビルだろうが、スーパーだろうが、学校だろうが、すべてを完成し、初日に間に合わせるのが通例です。テープカットをする時には後ろに堂々と、ピカピカの完成物があるというのが我々日本人のイメージですね。故に期日に間に合わせるための突貫工事も付き物なのでしょう。

ではイギリスはどうなっているのかというと、使う所から作っていく、作られたところから使って行くという具合に、オープンする時に一部が工事中であるということはまったく異例ではありません。むしろよくある風景。 まあ言われてみれば、すぐに全館使わない建物は多いわけで、徐々に出来てきてもほとんど問題はなく、実害もないかもしれません。

こうやって比べてみると、他にも思い当たることが多々あります。例えば、銀行のようなところのシステムを変える時です。日本は夜中まで突貫で作業をし、明くる朝には完璧に新しいシステムが出来上がっているし、それを我々は当たり前だと思っています。ところがイギリスでは「今日からシステムを変えます。1年位かけて・・」に人々は違和感を感じないようです。学校でのアクティビティも似たようなパターンを辿ります。申し込むとその週からすぐ始まるという感覚ではなく、「学期が始まって落ち着いてきたら、少しづつ始まるでしょう」と言った具合で誠にのんびりです。学校の制服も入学してから徐々に揃えて行くことに問題はなく、「ピカピカの一年生」はどうも日本独自でこれこそ英語にならないと思います! 翻訳機やチャットGPTがいくら正確な翻訳をしてもそれを受け取る側の感覚により違いますから、「突貫工事」の意味は無数になる・・・もしかしたら国によっては言葉自体がない!そんな発想の無い国もあるからです。やれやれ 真意を「伝える」というのは難しいものですね。

渡邊