トーマスに学ぶこと
10th Mar 2017
最近の2歳の息子の流行りは「きかんしゃトーマス」。
日々息子が私から習う言葉は「こらー!」や「ダメー!」ばかり。とりあえず英語教育はトーマスに任せようと二重音声を英語にして何度か見ているうちに、面白いことに気づきました。
ちなみに「きかんしゃトーマス」は1984年からイギリスで放送が始まった鉄道模型を使用して撮影された人形劇で、CGアニメーション化された現在も世界各国で放映されています。当初から幼児向けの番組として制作されていたものの、描写されていたのは決して明るい鉄道風景だけでなく、当時の情勢を考慮した皮肉やジョークも含まれていたエピソードも多かったそうです。
その片鱗を今だに感じるのが、それぞれのキャラクターが話すアクセントにあります。主人公のトーマスや彼の機関車友達が話すのはいわゆる標準的なイギリス英語。しかしその機関車を利用する客は富裕層が多いのか、上流階級の言葉遣いやアクセントがちらほら。市長が登場した回は「Sir」や「Your Highness」という言葉も登場しました。かたやアニメのナレーションはイギリスの駅構内やタクシーの中で聞くような労働者階級の訛り。機関車に引っ張られる貨物列車や、線路の脇で作業をするショベルカーやクレーン車も同じく労働者階級のアクセントです。
よくよく考えてみれば、「きかんしゃトーマス」はジョージ王子も含むイギリス全国の幼児が見るわけですから、当然それぞれが理解出来る「世界観」が含まれていることが重要となります。例えば子どものうちからトーマスが話している言葉のほうが、ショベルカーが話している言葉よりもわかりやすい=この年齢から階級社会に足を踏み入れていると考えると恐ろしい反面、さすがイギリスと感心してしまいます。ちなみに息子の今のお気に入りは暴れんぼうのダンプカー。どうしたらトーマスの方を好きになってくれるか模索中です。。。
鐵屋