苦労は買ってでもせよ
16th Jun 2023
「英語」は世界の公用語。英語が母国語だったらどんなに楽だっただろう…と考える人は多いと思います。わたしも留学前はそうでした。しかしながら英語を第二言語として使える(と思える!)ようになった今、英語が母国語でなくてよかった、と感じています。それは2つの言語が話せるようになったことはもちろん、言語を習得する「苦労」を知ることができたことが一番の理由です。
よくイギリス人はフランス語が下手と言われますが、それは多くのイギリス人が心のどこかで最終的には英語が通じると思っていることが大きな理由です。そう、「必死」に覚える・習得する必要がなかったものは、残念ながら私達の身につきにくいものです。その点、留学生の英語力が留学後格段に伸びるのは彼らにこの「必死」さがあるからです。留学中、日本語が登場する場面はほぼ皆無です。どうにかして英語で伝えなければという状況が彼らの英語力を飛躍的に伸ばすのです。英語力は留学生の努力の成果が一番見えるものの一つであり、留学中に留学生が体験する多くの「苦労」が形となって実を結ぶことが感じられるなによりの成功体験だと思います。
昨今話題の翻訳・AIツールの精度は非常に高く、一言語しか話せなくても外国人との意思疎通が簡単にできるようになりました。ただし、皮肉たっぷりのイギリス的言い回しの裏にある優しさや、奥底に真意が隠された丁寧な日本語がITによって完全に理解されることは当分ないと思っています。留学生達の「苦労」がそう簡単には置き換わることはありません!
鐵屋