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スクールカラー

9th Dec 2016

先日、母校のシニアスクールから毎年恒例のニュースマガジンが届きハッと息をのんでしまいました。着慣れていたカラーコーディネーションに特徴のある制服がリニューアルし品良くなっている・・!以前は深緑の織部色と、神社の鳥居のような鮮やかな朱色をスクールカラーとし、制服に取り入れていました。ライムグリーンと白のストライプシャツの上に朱色のセーター、そして織部色のキルトスカート。冬用タイツはスクールカラー2色のバージョンがあり、どちらを履くかはその日気分で。他校の生徒からは“年中クリスマスツリー”だとよくからかわれたものです。これが日本だったらどんな変わり者の女子が入学を希望するでしょうか。それが、新しいものは朱色とライムグリーンが排除され、織部色と白を基調とした洗練された風貌になってしまいました。卒業生たちは冗談で学校に申し立てを提出し、「ダサいと呼ばれてもずっと貫いてほしかった」と声を揃えたそうです。ちなみに制服で学校を選ぶことはごくごく稀だと思われるイギリスの生徒たち。土日以外は常に制服または運動着で過ごす寮生活なので、みんな知らず知らずのうちに愛着が湧いてくるのでしょう。

スクールカラーと言うと、慶應の紺と赤など日本でも定着している伝統だと思いますが、イギリスのボーディングスクールには必ず存在します。その原点は19世紀初めにあり、ローイングやクリケットの学校対抗戦でチームを見分けるために設けられました。1色の学校から4色もある学校まであり、今では積極的に制服や運動着に取り入れたり、校章など象徴のためだけに設けるところがあったりとカラーの働きは様々です。どの色がポピュラーなのかと興味本位で調べてみたところ、渡邊オフィスが生徒を送ってきた100超の学校のうち、60%以上が少なくとも青系統のカラーを1色取り入れており、青系統の色を複数取り入れている学校は30%に上りました。調べただけでもロイヤルブルー、スカイブルー、ネイビー、ティールブルー、シアンなど計12色もあり、イートン・ブルー、オックスフォード・ブルー や ケンブリッジ・ブルーと学校名が色名になったカラーもありました。ちなみにイートン・ブルーはイートンのホームページでご覧いただけます。
http://www.etoncollege.com/EtonBlue.aspx
日本を含む世界の統計を見ても青は断トツ1位で、その中でもイギリス人の青に対する愛は世界一だそうです。その他のスクールカラーは、赤系統、紫系統、緑系統が約10%ずつ、金、白、黒、茶が其々約5%と、面白いことに昨年発表されたイギリス国民が好む色の統計とびっくりするほどよく似ていました。

矢部