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コモン・エントランス

26th Jun 2015

イギリスの私立中学(実際はほぼ中高一貫校)の最終入試が、このコモン・エントランス(Common Entrance。以下CE)です。いわゆる、日本のセンター試験に似ていて、それぞれの中学は独自の入試をすることもできますが、大多数の中学はこのCEを採択していて、実質上、私立中学一斉入試となっています。試験は例年6月の最初の月曜日から4日間。受ける科目数によって3日で終わる子もいますが、とにかくこのCEをめがけてどの小学生も勉強をしてきているわけですから、どの子にとっても緊張の4日間ということになります。今年の渡邊オフィスからの受験生は5名。見事に全員が第一志望校に合格しました。次号のGTT通信で詳細を発表する予定です。

今年は珍しく、5名全員が日本の高学年の間に留学し、イギリスで小学校に2年間ほど在籍した13才の留学生でした。日本なら中学1年生もしくは2年生です。性別、日本での学校、出身地、趣味、勉強が好きだったか、留学前に英語力があったかどうか、、、、と、いろんな意味で「比較、分析」もできますが、それも一つの通過点でのことに限られます。子ども達の本当の成果はAレベル、あるいは大学生になるまで持越しかな、というところ。というのも、どの子どもも(特に男子)中学に入ってからの5年間で結構予測のつかない足跡を残す子が多いのです!それはよい意味、わるい意味の両方あります。せっかくよい感じに成績上昇ラインを描いていたのに、中学に入った途端に緩み、楽をすることを覚え、勉強をしなくなって成績は転落の一途、、、、。かと思えば、途中から急に頭角を現し、責任感と興味と努力で人間的にも学業的にも大きく成長する子もいます。こんなことを書くと脅かしているように見えますが、実際問題、中学に入ってからはますます「本人がどうしたいか」が前進の鍵になってきます。

イギリスでの中学受験を担当してかなりの年数が経ちますが、常に思うこととは? この受験、実は子ども達は親の力をほとんど借りずに乗り越えていることにお気づきでしょうか。塾通いもなく、受験日のお弁当も要りません。日本ではすべて親の手が必要ですが、留学生の親御さんができることは、願書にサインをしてエールを送る、といった程度。毎日叱咤激励して受験勉強の進捗を見届けるなんてことができないのです。にもかかわらず、当人たちはいつのまにか受験に対して責任感を持ち、「努力をして合格をしたい」と自然に思うようになります。おそらく、イギリスの私立小ではほぼ全員が中学受験をするので、学習カリキュラムが元々‘受験仕様’。さらに、子どもにとっても同級生みんなと受験までの過程を一緒に歩むことが、励みになり自覚促進に役立っているからなのだと分析しています。

だから、うちの留学生たちはみんなエライな、とすごく誇りに思います。同時に、それらの子ども達の特性を生かしながら適確に指導し、本人たちの志気を維持させながらもきちんとハッピーエンドに持っていく、イギリスの私立小学校の手腕にも敬服する、毎年6月です。

山岸