Back to Blog Top

何のために教育を受けるの?

14th Apr 2023

留学相談のために初めて渡邊オフィスにいらっしゃるご家族に日英の学校教育というものの違いをお話しています。

まずは日本の子供達の教育が何のためにあるのかを考えていただくのですが、「将来役に立つから」と言う無難な回答が多く、どのように役に立つのかと突っ込んで質問してみてもそれ以上の答えが出てきません。つまりあまり認めたくありませんが、「受験の為」という答えが一番すとんと落ちることになります。学校だけでなく、塾も総出で受験の為に勉強しているという図がどうしても浮かび上がってしまいます。

片やイギリスで「教育」というと当たり前のように本当に「役に立つ」のかどうかが問われますが、受験に役立つからではなく、長い人生をより有意義に、楽しく、自分らしく送るためにすべての教育が存在するという考えです。イギリスはそのために絶えず子供達に何を与えたら良いかを模索して教育内容を吟味しています。子供達が将来どんな暮らし、どんな職業につくかは分かりません。ですから、まずはどんな人生にも必要になる力を蓄えるためのトレーニングが最優先です。現在のところ、ITが益々発展するであろう未来を見据えて人間に求められる能力の開発、つまり自ら思考し創り出していく力、周りと協力して得た多くの意見を整理して解決に持って行く力など単に知識を貯めるのではなく、「使う」ことを前提とした教育を中心としているのです。その上に各教科では最新の情報を基に一人一人の興味を掘り下げ、答えを与えるのではなく、答えは自分で探すものであり、その面白さを教えます。

少し難しく書いてしまいましたが、要は人生には解けないパズルばかりが存在していて、答えは無数にあり、それを解く面白さ、忍耐を身に付けさせることでその先にどんどんチャレンジしていく力を育むのがイギリスの教育の目的であるということです。

小・中・高・大と私達は長い時間かけて「教育」を受けるわけですが、それが受験だけの為だけではちょっと寂しいと思いませんか? もっと色々な力をつけ、良い人生を送る肥やしとなってくれるとよいと思います。

渡邊