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伝統はどこまで強い

20th May 2010

世の中どこに行っても意見をまとめるって大変ですね。我が国も民主党政権になって再出発かと思いきや、ダメだしが続いており、先があまり見えませんが、英国でも保守党、労働党という2大政党のどちらも過半数を取れずに久々の連立政権が決まりました。政治そのものは別として、この度の保守党と自由民主党の党首のバックグランドはあまりにも見事。キャメロン党首は貴族の血縁であり、Eton College、Oxford大学出身。クレッグ党首は、Westminster College、Cambridge大学出身。お2人とも名門Prep Schoolからのまさに英国のエリート教育を絵に描いたよう!庶民派であることをメディアなどを通じて打ち出すのに余念がないようですが、彼らのスピーチを聞けば、一瞬にして英国の階級社会が映し出されます。先日もある名門Prep Schoolの新校長に代々英国の首相を輩出した家系のEton-Oxford出身者が決まりました。この校長の前職は国会議員です。

長年英国のPublic Schoolの仕事をしていているとこの手のゴシップが気になります。世論は教育の平等性を訴えますが、16世紀から続く伝統の教育はビクともしないようです。それでも労働党政権では、ブレア首相のように本人はPublic School出身にもかかわらず、子供を公立に入れざるを得ず、苦慮したなど、多少の「遠慮」はあったようですが、保守党に政権が移るとどうなるのかは見ものです。

政治そして選挙への関心が日本と同様に低下してきたと言われる英国ですが、留学生達に聞いてみると、Prep Schoolのような低年齢層の集まる学校でも皆の関心が結構高いことが分かります。学内で模擬選挙のようなアクティビティを行い、政党支持の討論やスピーチをするなど、内容もごく本格的。さてここから未来の英国だけでなく、様々な国を統括する国の代表が育っていくのでしょうか?君の友達かもよ!

渡邊和子