転職シーズン
21st Jun 2024
この時期になるとどこの学校からも必ず先生方の「人事移動」の案内が来ます。学校の規模にもよりますが、学内の役職の変更だけでなく、平均10人ほどの先生方がその学校を去り、新しい先生が9月から着任するというお知らせです。さすがに校長の交代ともなると、別紙の案内になりますが、これとてイギリスではほとんど意外性はありません。
時々留学生から「沢山先生が辞める!この学校大丈夫でしょうか?」といった質問が来ますが、実はイギリスでは恒例なのです。「転職」という概念が日本の感覚と違い、「現在の職場が気に入らないから辞める」のではなく、多くのイギリス人が先生に限らずずっと同じ仕事をすることを好みません。人によりますが、4年~7年位の周期で常に「新しい」を求めることは「普通」であり、よく使われる言葉がリフレッシュするため。転職するならキャリアアップを考えますから、よりよい場所を探すという転職市場は常に動いています。留学生が嫌いな先生の文句を言うことは多々ありますが、実は嫌いな先生も好きな先生も転職する可能性は大いにあるのです。
ここでもう一つ日本とは文化・習慣の違いがあると思います。日本は「ふるさと」という言葉をよく使い、自分が生まれ育った土地への愛着が強く、「ふるさとに帰る」「ふるさとは心の拠り所」となるようですが、この感覚を表現できる英語が見当たりません。ということはイギリス人にはこのような感情が非常に希薄? イギリス人は引っ越しが大好きで、「親しい友達が近くにいる」「あそこに住んでみたかった」という新天地を求める移動に積極的です。「ふるさとに帰る」あるいは「地元に帰る」という話もほとんど聞いたことがありません。
ボーディングスクールの先生の場合、学校を移る=住む場所を変えることになるのですが、みなさんとてもポジティブに考えます。今年も懇意にしていた人格者であり、みんなに愛された校長2名が天塩にかけた学校を辞め、その内の一人は家族でスペインへ。そろそろライフスタイルを変えたかった・・・が理由とか。送り出す方も慣れていて、その方の功績を称え、次のところでの活躍を祈り、快く送り出すという毎度おなじみのパターンです。
なかなか日本人にはない感覚ですよね!
渡邊