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失敗の紐解き

11th Oct 2024

ご存知の方も多いとは思うのですが、将棋の世界では、試合の後に対戦相手同士がその試合を最初から辿るという「感想戦」をやるのが慣わしなのだそうです。長時間の頭脳戦を戦い抜き、疲れ果てた後にそんなことが繰り広げられているとは!想像するに、特に敗者にとっては負けた直後に自分の打った手を振り返るというのは、屈辱感や後悔に苛まれ、辛い時間に違いありません。でも、一見過酷に見えるこの習慣も、考えてみると実に理に適っていることに気付きます。時間を置かずに振り返ることで失敗の真因を確かめやすいでしょうし、その失敗の分析を次に生かすことができます。

この「すぐに振り返りをしてみる」作業は、もちろん勉強にも有効です。渡邊オフィスで親御さんや留学生と話をしていると、とかく予習に熱心で、参考書や問題集をたくさん入手して勉強したがる傾向があります。でも、勉強のできる留学生はそういったものをあまり使いません。自分のやった過去問を何度も見直したり、間を空けて解き直したり、友達とそこから問題を出し合ったり。これだけでトップクラスの力をつけています。失敗の分析なくして進歩はないということです。

はたして自分はいかなる失敗も「すぐに」「念入りに」振り返っているか?自省しながらこれまた自分の行動を振り返るのでした・・・。

山岸