家族が大切
18th Oct 2024
イギリスの学校生活の中には世界的にも珍しいHalf Termと呼ばれる休みがあります。イギリスの学校は3学期制。毎学期の中間に必ずこのHalf Termがあり、学校が閉まります。これは公立、私立、寮制、通学制に関わらず、どのイギリスの学校に行っても昔からこの休みが存在するのです。このシステムからもイギリス人の生活のメリハリ感が伺えます。特にボーディングスクールで通常寮生活をしている子供達にとっては親や家族と過ごす大切な時間なのです。頑張る時は頑張って、休む時は徹底的に休む。
このシステムは先生たちにとっても丁度良い息抜きになりますし、子供はもちろんのこと、子供と過ごせる時間は親にとっても嬉しい。 みんなHalf Termが楽しみなのです! ですからHalf Termに仕事の休暇を取る親は多く、有休休暇が多いイギリスでは、日本のように学校が休みだと困るという共稼ぎの親側の悲鳴も聞いたことがありません。
もちろん塾に通うという習慣がないイギリスですから、春・夏学期の1週間ずつのHalf Term、秋学期は2週間を家族と共にゆったりと過ごすのが定番です。ボーディングスクール発祥の国ですから、寮生活が子供に与えるメリットと価値は十分理解しているのですが、それと同等に休みを家族と過ごすことの重要さをイギリス人はとても強調します。
私が未だに疑問なのは、このように家族との繋がりをとても大切にする国にも関わらず、大人になる大学からの生活は独立しており、日本のように事情が許せば、親元から大学に通ったり、仕事に行くという選択をする人が圧倒的に少ないことです。小さいうちは家族と過ごすことをことのほか重要視するにも関わらず、18才過ぎれば、親離れ、子離れがしっかりと行われる。イギリスとの付き合いが60年以上になる私ですが、このイギリス的慣習とメンタリティを日本の日常に反映するのは文化の違いもあり、なかなか難しいですね。
渡邊