選挙一考
15th Nov 2024
今年は、まずイギリス、そして日本、最後にアメリカと大きな選挙が目白押しでした。どこの国でもその国の代表によって左右される政治の世界は注目の的となります。イギリスの教育を扱っている仕事をしている上で、標準的なイギリスの政治の仕組みおよび関連の英語の語彙は何とかクリアでき、日本の政治のシステムも常識的な大人として理解しており日本語での説明も出来るつもりでした。
ところが先日あるイギリスの学校の副校長が来日した折の会食の場で、日本の選挙について尋ねられた折に、それを英語でしっかり説明できるだけの語彙の欠落があまりにも顕著で冷や汗ものでした。日本語では説明出来ても普段英語で日本の政治を語る機会がほとんでないのが原因です。みなさん数ある日本の政党の名前を英語で言ったことありますか?やってみるとかなり苦しい!ちなみに日本維新の会なんていうのはどうします?How about Japan?と言われたときに困らないように考えてみてください。イギリス人との会食はあらゆる話題が出る可能性があり、一般的に日本より政治への人々の関心が高いイギリスでは選挙の時期は特に話題に上りやすいので、気を付けなければならないと若い頃の失敗を久々に思い出しました。良い刺激でした。
選挙運動ですが、日本では選挙前に選挙宣伝カーが街を回り、「よろしくお願い致します~」というウグイス嬢の掛け声とともに候補者の名前を連呼するというのが習慣になっていますが、イギリスでこの光景にであったことがありません。この折に無知を承知で色々お聞きしてみたところ、イギリスでは候補者または候補者代理がその選挙区の家を一軒ずつ回り、その候補者に票を入れてくれるように頼のむとのこと。そう言えばその光景をTVで観たことを思い出しました。なるほど日本のように不特定多数に呼びかけるのではなく、直に対面するということです。どこまでも対面で話すことを大切にしているイギリスだと思いました。
アメリカはアメリカで選挙のやり方が全く違うということは今回の報道を見聞きしていて十分にお解りになると思います。選挙と言っても国によって大きく違い、国民性が濃く反映されます。教育も同じです。留学先の国を選ぶときには、まずはその国の文化や国民性をしっかり知ることが大切だということを念頭に置くことが必要ですね。
渡邊