何を学ぶ
31st Jan 2025
仕事柄、私は長年イギリスの中等教育と高等教育について日本の方々に説明をしてきました。その度に「学び」についての日本とイギリスとの考え方の違いに大きな疑問を覚えます。イギリスの高校の最後の2年間は、学ぶ学生に100%の科目の選択権が与えられます。それも2年間で3科目だけを深く学びます。そしてその先の大学では1科目を3年間集中して学習します。この話をするとそんなに少ない・狭い学びで良いのでしょうか?と親御さんでびっくりなさる方がいらっしゃいます。特に日本の大学のように大学の最初の2年間を「一般教養」ということで知識あるいは教養を深める?という名目で浅く、広く学ぶことを推奨しています。これが悪いこととは言い切れませんが、私の周りで日本の大学に行った人たちに聞くとほとんどの人がこの2年間の学びの記憶がありません! 特に昨今のコンピューターの存在は人間の知識のかけらを凌駕するパワーがあり、これからの社会にどういう学びが必要なのかを考える転機にきているのではないでしょうか。
なぜイギリスの高校での学習が3科目で大学が1科目かという理由はとてもシンプルです。人は誰でも「好きこそ上手慣れ」のことわざの通り、好きなことは頼まれなくても一生けん命やるし、突き詰めたいとも思う。故に学習意欲もわく。つまりじっくり好きなことに時間を使える。だから身につく。渡邊オフィスの約9割の留学生がIBよりA levelを選ぶのはここに基本的な理由があるからです。それにより教科を問わず、深く思考することにより問題意識が芽生え、問題解決の力が育つなど「面白い」を見つける機会に恵まれます。かく言う私もA levelが始まり、自分の好きで得意な学科しか学ばないでよくなり、すごく開放され嬉しかったのを覚えています。
人間はみな違い、一人一人の道を歩みます。 中学程度まではある程度の基礎学力を身に着けることは大切ですが、その後はみんなが同じであることよりも自分の好きなことを見つけ、追及することによって学ぶ楽しさを知ってほしいですね。
渡邊