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テムズと共に…

6th Jun 2025

いつか読もうと思っていた、天皇陛下が書かれた『テムズと共に』を読了しました。

この本は、天皇陛下が1983年から1985年、2年4ヶ月に渡ってイギリスに留学されていた際の思い出が綴られた手記です。1993年に学習院教養新書から上梓され、その後、2023年に学習院創立150年記念事業の一つとして、復刊が決まり、なんと電子書籍でも読めるようになりました!

イギリスの貴族文化やその感覚が大変丁寧に書かれている本であり、特に、我々にとって『非日常』であるイギリス皇室や貴族との交流がありふれた『日常』として綴られ、逆に我々の『日常』である学生同士のたわいもない交流などが、陛下にとって『非日常』として驚きを込めて描かれている点です。こうした描写にも当然嫌味はなく、むしろとても微笑ましく感じるのは、陛下のお人柄によるものであり、スムーズに読むことが出来ます。

また、陛下の留学先だったオックスフォード大学の成り立ちや当時のシステムについての描写では、大学生になると渡邊オフィスを卒業していく生徒たちの参考になる情報もあると感じることがありました。ボーディングスクールの名前や、実際に陛下が訪れた際のボーディングスクールで行われる行事なども出てきます。

描かれる陛下の留学体験は、20年経った今も色褪せず、これから留学する人、留学中の人、留学を終えた人にも響く作品ではないかと感じました。

後藤