GCSE Musicには作曲がある!?
10th Jul 2026
NHKの「駅ピアノ」という番組をご存知ですか?
各国の主要都市の駅に置かれたピアノにカメラを設置し、演奏者へのインタビューとともに、その演奏を紹介する短い番組です。この番組にはイギリスの都市が登場することもしばしばあります。特にロンドンやグラスゴーでの演奏が印象的で、「自作曲」を披露する人の多さに驚かされます。
私自身、日本で10年ほどピアノを習っていたので、「自作曲って、そんなに気軽に作れるものなの!?」と思ってしまいます。しかし、イギリスでGCSEのMusic(音楽)を選択していたなら、それも納得です。といいますのも、GCSE Musicでは、実技=演奏だけでなく、作曲(Composing / Composition)も大きな柱の一つになっています。評価全体の約30%を占め、時間をかけて自分だけの作品を完成させます。また、実技や音楽理論(座学)と合わせて評価されるため、「演奏する力」だけではなく、「音楽を創る力」も重視されているのです。作曲では、通常2曲のオリジナル作品を制作します。
・課題作曲(Composition to a Brief)
試験委員会から提示される複数のお題の中から一つを選び、それに沿った楽曲を制作します。例えば、映画のオープニングシーンや地域の伝統音楽を取り入れた作品、カフェやギャラリーのBGMなど、「こんな場面のための音楽を作ってください」という課題に取り組みます。プロの作曲家になったつもりで、そのシチュエーションに合った楽曲を制作する力が試されます。
・自由作曲(Free Composition)
こちらはテーマや楽器の指定が一切なく、完全に自由です。クラシック、ポップス、ジャズ、ロック、EDMなど、自分の得意なスタイルで、好きな楽器や編成を選んで作曲できます。
日本では、一般的にどちらかというと既存の名曲をいかに美しく、正確に演奏できるかが重視される印象があり、一方、イギリスでは演奏技術だけではなく、「その子自身が生み出した音楽」にも大きな価値を置いているように感じます。音楽の楽しみ方は人それぞれですが、ここにもまた、日本とイギリスの教育の違いを感じました。
後藤
